
ポーラ美術館では『ゴッホ・インパクト〜生成する情熱』が開催されています。7/29は、ゴッホがわずか37年の生涯を終えた日です。情熱的なゴッホの作品と共に、ゴッホに影響を受けた日本の芸術家たちの作品、モネやルノワール・セザンヌなどの巨匠の作品も多数展示されています。ユニークで、かつ癒しの空間をみなさまも楽しんでみてください。
ポーラ美術館は、大きなガラス張りの建物でできており、優しい光がさしこみとても開放感があります。鮮やかな青空と箱根の森の緑にとけこみ、素敵な空間です。非日常の世界にどっぷり浸かって、慌ただしい日々から解放されてみるのもいいかもしれませんね!
心ゆさぶるポーラ美術館
箱根の国立公園の中にあるポーラ美術館。緑のアーチをくぐるとガラス張りの美術館が見えてきます。森の中には個性的な彫刻やオブジェが隠れているので、探してみてくださいね!ワクワクしますよ。


佐藤忠良 カンカン帽

ブロンズの作品が何とも魅力的で目を奪われました。こちらは、第6回 中原悌二郎賞を受賞作品 佐藤忠良作 カンカン帽 1975年ブロンズ です。
『昔、大正時代の男たちは みんなこれをかぶっていたものです。少し弛めに注文して作らせ、教え子(モデルは笹戸千恵子)にかぶらせた』作品だそうです。
niŭ(にゅう)しあわせな犬


ガラスの入り口を入るとすぐにエスカレーターがございます。そこからの景色がこちらです。なんて素敵なんでしょう!

ライアン・ガンダー
巨大な黒いボールが!近づいてみると Do shadows have sounds? 直訳すると 影に音はあるか? ですかね?
大人になると忘れがちなこと?柔軟な想像力?を静かに問いかけているのでしょうか?みなさまは何を想像しますか?これ以外にも『Can time stop?』『Can you be lonly and happy?』など哲学的な問いかけが書かれています。

入館料

エスカレーターを降りて左手に券売機がございます。料金は大人¥2200 電子マネー・クレジットカード・タッチ決済・現金などの支払い方法が多数選べます。


手荷物は無料のロッカーに預けて


ケリス・ウィン・エヴァンス

エスカレーターで下りながら、右手に見えるこちらのオブジェが素敵すぎて感嘆の声が洩れそうでした!美術館のガラス張りの開放的な空間に、繊細でエレガントな作品がマッチしています!
ポンコツな自分に落ち込んでいましたが、この作品を目にした瞬間、目の前が晴れやかになり、明るい未来が待っているような錯覚を覚えました。みなさまは何を感じますか?

作品鑑賞ガイドアプリ PINTOR
スマートフォンは持って入れて、写真撮影も可能な作品もございます。ガイドアプリをダウンロードすると作品に近づくだけで解説してくれるので便利です。



ゴッホインパクト〜生成する情熱 作品紹介
2025年は、『ゴッホイヤー』と呼ばれ、大規模な展覧会が日本各地で開催されます。その一つがポーラ美術館の『ゴッホ・インパクト〜生成する情熱』です。こちらでは、ゴッホによる3点の油彩画を収蔵しています。アルル時代の風景画[ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋1888年]、サン=レミ時代に身近な自然を捉えた[草むら1889年]、そしてオーヴェル時代の静物画[アザミの花1890年]です。
所蔵品以外にも、同年代の画家の作品、ゴッホに影響を受けた日本人画家達の作品、4人の現代アーティストの作品も楽しめます。
前田寛治 ゴッホの墓
1890年 7/29はゴッホが37歳の生涯を閉じた日でした。その半年後に弟のテオも天に召されてゴッホの隣に眠っているそうです。彼らの墓石は、アイビーで覆われたシンプルなもので、共同墓地に埋葬されているそうです。やわらかいタッチが兄弟の絆の深さを表しているような気がしますね。


フィンセント・ファン・ゴッホ アザミの花
この作品は、ゴッホがピストルで自らの命を絶つ1ヶ月前に制作された作品です。だからでしょうか?この展示会で一際心に刺さる作品でした。彼は常に『自分は何者?』『なぜ理解してもらえないのか?』と自問自答していたそうです。彼は、精神の持病をお持ちでしたので、妄想や幻覚で悩まれたのでしょうか?作家としての苦悩があったのでしょうか?今となっては彼に尋ねることはできませんが、トゲを持つアザミの花に周囲から誤解され、孤独に耐えている自分の姿を重ねたのでしょうか?
みなさまは自問自答することはありますか?


森村泰昌 自画像の美術史[ゴッホ/青い炎]
森村氏は、1985年からゴッホをテーマに6作品を制作しました。この展示会では、6点全てを一堂に見る事ができます。およそ7分のビデオ映像作品もお見逃しなくご覧いただけたらと思います。


自画像の美術史[ゴッホの部屋を訪れる] 2016/2025

唄うひまわり 1998年

フィンセント・ファン・ゴッホ 芦屋のひまわり
この作品は、ゴッホのひまわりの作品7点のうちの一つ『芦屋のひまわり』と呼ばれる作品です。深いロイヤルブルーの背景にステンドグラスのように縁取られたひまわりが引き立っていますよね?
残念ながら、この作品は第二次世界大戦の空襲で焼失しました。陶板画などの技術でゴッホの幻の『ひまわり』を原寸大に再現したものです。

中村彝 向日葵

フィンセント・ファン・ゴッホ 草むら
たび重なる精神の不調から、ゴッホは南仏のサン=レミにあるサン=ポール・ド・モーゾル療養院に入院しました。幾度も発作を起こしながらも、病状が落ち着いた際にはキャンバスに向かい、戸外制作に取り組んだ時の作品がこちらです。色彩の効果と独特のタッチで、ゴッホの精神状態・ゆらぎ?を描いた作品でしょうか?


岸田劉生 夕陽
芸術雑誌『白樺』に魅了されたのが岸田劉生でした。ゴッホの影響を如実に受けた作品が『外套着たる自画像』です。


萬 鉄五郎 太陽の麦畑

桑久保徹 フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ
ゴッホがいっぱい・・・

Vienetta

フィンセント・ファン・ゴッホ ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋
南仏のアルルでゴッホは精力的に絵画制作に励みました。この地で制作された『ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋』は、シンプルに穏やかな風景が見てとれます。いろいろな色を使っていることから、ゴッホの精神状態が落ち着き、生き生きと制作に打ち込んだのが伺えますね?絵画の大半を占める空と運河の青に対して、橋と土手には部分的に黄色が、土手に生い茂る草や橋の上の低木林の緑の中にアクセントの赤が置かれるなど配色が素晴らしいです。


『人生の意味・・・?』何だか衝撃が走ります。みなさまは何を感じますか?
版画印刷機 18世紀初頭木製
ガジェ医師は版画印刷機を持っていて、ゴッホはこの印刷機を使用してガシェ医師の銅版画を制作したそうです。その後、この印刷機はガシェ医師の息子さんを通じて日本にわたり東京藝術大学の所蔵となっているそう。


フィンセント・ファン・ゴッホ 医師ガジェの肖像(パイプを持つ男)

絵画とともに目を奪われたのが彫刻たちでした。こんなにユーモアがあり、可愛らしい彫刻今まで見たことありますか?
エミリオ・グレコ 水浴の女Ⅲ
思わず同じポーズを取りたくなる可愛い作品ですよね?

エミール・アントワール・ブールデル パリジェンヌ
華麗ですね〜!

ピエール・オーギュスト・ルノワール レースの帽子の少女

クロード・モネ エトルタの夕焼け

睡蓮の池

ルーアン大聖堂

ポール・セザンヌ プロバンスの風景

ライアン・ガンダー

先ほど入り口にあった巨大な黒いボールとは一変して、今度は無数の小さな黒い球が敷き詰められ、それらにも様々な疑問文が書いてありました。これらは全てガンダーの子供達が日常の中で抱いた素朴な疑問から生まれた作品群だそうです。
物語は語りの中に
壁穴から2ひきのネズミが顔を出して、何やらお話中で、思わずほっこりして笑いが込み上げてきました。


電車でのアクセス

箱根湯本駅から箱根登山鉄道に乗車すること約40分、終点 強羅駅で下車します。駅前にはお土産物屋さんなどがあり観光客で賑わっていました。
強羅駅から無料送迎バスで8分
強羅駅から無料の送迎バスがございますので、便利です。駅の建物の右手後方にあるので、強羅駅の改札を出てぐるっと右折して進んでください。白いバスが待っています。


*画像はポーラ美術館HPより引用いたしました*
路線バスでのアクセス
無料の送迎バスが終了してしまっても、路線バスで行く事ができます。観光施設めぐりバスで¥310


バス停の向かい側には温泉宿『雪月花』さんがございました。アクセス便利なので次回泊まってみたいお宿です。
最後に
今回のポーラ美術館では、情熱的なゴッホと、ゴッホに影響をうけた日本の芸術家達の作品を楽しめました。
ゴッホの作品に触れ、ゴッホを詳しく知ることで、日常に流され 惰性で生きている自分が少々恥ずかしく思えてなりませんでした。これからのセカンドライフをどのように生きていこうか?何を目標に生きていこうか?立ち止まって考えるいい機会になりました。
『偉大なものは、衝動だけでできるものではなく、小さなことの積み重なりであるのだから』というゴッホの言葉が残っています。
ポーラ美術館は、想像をはるかに超えて素晴らしい空間でした。非日常の空間に身を置き、時間を気にせずにのんびりと美しい作品を愛でることは何とも贅沢な時間ですね。
みなさまも箱根にお越しの際は、ぜひ足を運んでみてはいかがですか?違う自分に出会えるかもしれません?

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